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文系の方々も「理」の心を(8)
(NHK問題と民主主義)

2005213

宇佐美

 何故今の日本では、政治家達の詭弁が罷り通ってしまうのでしょうか?

なにしろこの国のトップに居座る小泉首相は、“イラクで何処が安全か?私にわかるわけはない!”と言ったかと思うと“(イラクでは、)自衛隊の居るところが非戦闘地域”などと平気で宣うのですから。

 

 そして、次期総理候補などとジャーナリストの田原総一朗氏に持ち上げられている安倍晋三・自民党幹事長代理も、NHKへの政治介入問題でも詭弁を垂れ流しています。

 

 先ずは、週刊金曜日(2005.1.28)の『開き直ったNHKの醜態』との記事から、一部抜粋させていただきます。

 

 旧日本軍の慰安婦問題を扱ったNHKの特集番組「ETV2001 シリーズ 戦争をどう裁くか 第2回」問われる戦時性暴力」(二〇〇一年一月三〇日放送)が、放送前に安倍晋三・自民党幹事長代理(当時・官房副長官)と同局幹部らが会ったあと、放送内容が大幅に変更された問題で、NHKの対応はいささか常軌を逸しはじめた。

……

 安倍氏ら政治家とNHK側が、事実と異なると『朝日』に抗議と謝罪を申し入れるなどしたため、『朝日』は一八日付朝刊の第3社会面ほとんどを使って取材過程を掲載し、「圧力を感じた」というNHK幹部の証言を再び掲載した

 これに対しNHK側は意外な行動に出る。翌一九日、当時NHK放送総局長だった松尾武氏(現NHK出版社長)が記者会見し、『朝日』の記事に登場するNHK幹部は自分だと公表したのだ。そしてこのように反論した。

「『圧力に感じた』という発言はしていない。記者は最初から終わりまで、何度もしっこく『政治的圧力を感じたでしょう』と決めつけるように質問した。繰り返し『政治的圧力は感じなかった』と答えたが、記事は全く逆の内容になっており、きわめて遺憾だ」

 この身内の会見をNHKはこの夜の「ニュース7」「ニュース9」「ニュース10」で繰り返し、報道したが、

会見に対する『朝日』側のコメントは流さなかった。

……

 「公正中立にと述べただけ」との安倍氏の言葉を信用したとしても、「それが政治的メッセージになるのは政治のイロハのイ」(自民党関係者)なのだ。

 NHKの松尾放送総局長と野島直樹・総合企画室担当局長ら(いずれも当時)が、安倍氏と会った〇一年一月二九日その日と翌日に、番組を計四分カットしたことはNHK側も認めている。

 NHKのプロデューサーOBはこう語る。

「緊急特番などでなければ、普通は一カ月くらい前に番組は完成している。完成すると、放送事故を防ぐために本番用と予備の二本のテープを用意し、テープは制作から技術・管理部門に回る。放送直前まで編集作業を行ない、しかも四分も短くしたのは、まったく異常だ。もともと『ETV二〇〇一』は、視聴率0コンマ以下の番組。政治的圧力でもなければ、ギリギリまで編集し直すなんてありえない」

 番組に出演した高橋哲哉・東京大学教授はこう話す。

「特に驚いたのは、一九日の記者会見でNHK側は『NHKは国会で予算を承認してもらわなければならないので、番組について国会議員に説明するのは当然』というように述べた点です。

報道の自律性というものに対する感覚が麻痺していると言わざるを得ません。

 もし、説明するのが当然だったら、国会議員が何かクレームをつけてくるたびに、いちいち全部説明に行かなくてはなりません。さまざまな立場や主張の国会議員がいるわけですから、番組に対する意見も一人ひとり違います。

 安倍氏や中川氏の二人に限らず、特定の政治的主張を持って活動している議員に事前説明に行けば、その影響を受けることになってしまいます。番組内容を否定されても変えるつもりがないのなら、最初から説明に行く必要はないでしょう」

 ……

 元NHK甲府放送局長の川ア泰資・椙山女学園大学教授はこう言う。

「問題の本質は政治家と一体で動くNHKの体質であり、放送への政治家の介入にある。しかし、政治家とNHKの経営陣が結託して、強引に『朝日』が悪いという方向にもっていっている。本当にこの会社(NHK)は報道とは無縁だ。

『朝日』は証拠をもっているだろうし、NHKの対応は自殺行為だ」

……

 だが、これほどNHKへの疑問が多いにもかかわらず、NHKの肩を持つ大メディアもある。官邸詰めの経験をもつ新聞記者が、NHKの歪んだ政治力についてこのように述懐する。

「民放や全国紙の政治部記者も、NHKの記者にはっきりものを言えない面がある。原因は、NHKの政治部記者が、有力政治家に密着していて、その裏懇談会や裏々懇談会の出席メンバー決定に大きな影響力をもっているからだ」

NHKの政治部記者は、他社と違い、最初に担当した政治家を、基本的にずっと担当するという。「政治部記者と担当政治家は、運命共同体みたいなものだ。担当した政治家本人や所属派閥の行く末が、記者のNHKにおける出世に関わってくる」NHK記者)

 結局、各政治家により緊密に寄り添っているNHKの記者が、奇妙な力を保持し続けることになるのだ。

 

 (この記事は、実に的確に書かれているので、本当は、全部掲載させて頂きたい位でした。)

それでも、この記事に書かれていなかった点を、別の記事から補わせて頂きます。

 

 先ずは、2005年1月20日付けの朝日新聞から抜粋させていただきます。

 

NHKへの本社抗議文(要旨)

 朝日新聞社が、番組改変問題でNHKが開いた松尾武氏の記者会見などに対して、NHKに送った抗議文(要旨)は次の通り。

   

 朝日新聞の記事は、2人の記者が松尾氏に長時間会って取材した結果などを正確に報じた、根拠あるものです松尾氏は政治家から「圧力とは感じた」などと具体的に語っており、取材と報道には確信を持っています。

 

 この“正確に報じた、根拠あるものです”との記述は、当然、朝日新聞側には、松尾氏発言の録音があることを暗に示している筈です。

 

 この件に関しては、毎日新聞(2005年1月22日)には、次のように書かれています。

 

 NHKは18項目にわたる公開質問状の中で、19日に記者会見した松尾武・元放送総局長がその前日、朝日新聞記者に電話で「証言と記事の内容が違う」と抗議した際、記者は「どこかでひそかに会えませんか」「証言内容について腹を割って調整しませんか」「擦り合わせができるでしょうから」などと繰り返した、と明らかにしている。

……

 さらに質問状は▽松尾氏は朝日記者との電話のやり取りで「録音テープがあれば聞きたい」と要求したが、記者はテープの有無を明言しなかった▽昨年8月に発覚した朝日記者による取材源漏えい問題の際、朝日は「取材内容の録音は相手の了解を得るのが原則で、取材相手との信頼関係を損なうことがあってはならない」との見解を示したが、記者は録音許可を得ておらず、録音していたのであれば取材倫理に反する−−と指摘している。このため今後、録音テープの存在の有無が焦点に浮上するとみられる。

 

 松尾氏の言動はおかしくはありませんか?

責任ある立場の方が、新聞記者に見解を述べる際、自分の発言が間違いなく記事に反映されるためには、発言者側から記者に録音を依頼すべきだと私は感じます。

NHKの取材では、映像と音声が生命ではありませんか?)

それでも、取材された時点では、松尾氏自身の名前が表沙汰になることを心配されて、録音を拒否されたのかもしれません。

しかし、ご自分の名前が表に出た今では、たとえ無許可で録音されていたとしても録音が存在するなら、“録音していたのであれば取材倫理に反する”と抗議するのはおかしいですよね。逆ですよね。

松尾氏は、ご自身の発言が、朝日新聞の記事で歪曲されていると訴えるなら、ご自身の正当性を、その録音にて、はっきりと明らかにすべく、松尾氏は朝日新聞に録音の公開を強く迫るべきではありませんか!?

 

 そして、又、驚くのは、毎日新聞(2005年2月4日)の次の記事です。

 

 従軍慰安婦を扱ったNHK特集番組をめぐる問題で、政治的圧力をかけた疑いを報じられた安倍晋三自民党幹事長代理が朝日新聞に出した5回目の通知書で「NHK幹部との取材で無断録音した事実はあるのか」とただしていたのに対し、朝日新聞は3日、「取材手法や経過にかかわる点は答えられない」とする回答書を送った。

 

 安倍氏にしろ、ご自身のみの潔白をより証明する為には、朝日新聞に“無断録音した事実はあるのか”と問い質すより、朝日新聞に録音テープの公開を依頼すべきではありませんか!?

 

 どうも、松尾氏や安倍氏の動きは、証拠となる朝日新聞が有している録音テープを不法な存在との世論形成をしてでも、証拠価値を剥奪しようと、二人して画策しているようにも感じます。

 

 それにしても、不思議なことに、安倍晋三氏はご自身のホームページに次のように記述しているのです。

 

朝日新聞の記事『NHK番組に中川昭・安倍氏「内容偏り」 幹部呼び指摘』に関し、

朝日新聞らしい、偏向した記事である

この模擬裁判は、傍聴希望者は「法廷の趣旨に賛同する」という誓約書に署名しなければならないなど主催者側の意図通りの報道をしようとしているとの心ある関係者からの情報が寄せられたため、事実関係を聴いた。その結果、裁判官役と検事役はいても弁護士証人はいないなど、明確に偏って内容であることが分かり私は、NHKがとりわけ求められている公正中立の立場で報道すべきではないかと指摘した。これは拉致問題に対する鎮静化を図り北朝鮮が被害者としての立場をアピールする工作宣伝活動の一翼も担っていると睨んでいた。告発している人物と朝日新聞とその背景にある体制の薄汚い意図を感じる。

今までも北朝鮮問題への取り組みをはじめとし、誹謗中傷にあってきたが、私は負けない。

安倍晋三

PS
これからも頑張ります。
ご声援・ご鞭撻のほど、よろしくお願いします。

 

 これではまるで安倍氏がNHKに圧力を掛けた事をはっきりと、ご自身で表明している事になるではありませんか!?

明確に偏って内容であることが分かり私は、NHKがとりわけ求められている公正中立の立場で報道すべきではないかと指摘した

との見解なのですから、言うまでもなくNHKが製作済の番組の変更を指摘したことです。

(これを、NHK(松尾氏)が圧力と感じたと表現するのか、指導を受けたとか、或いは、適切な助言を頂いたとか表現するのは、言葉の遊びに過ぎません!)

 

毎日新聞(2月4日)には次のような記事が載っていました。

 

 「刀折れ矢が尽きました。いかに弱いかがく然としました。(番組への)ご批判はあるかもしれないが、甘んじて受けたい」。特集番組にコメンテーターとして出演した高橋哲哉・東京大助教授(現東京大大学院教授)は、01年1月30日の放送の数時間前、NHK担当者2人から相次いで電話を受けた

 高橋氏は2日前の28日、NHKが手直しした27日時点の「スタジオ台本」に基づき、コメントの追加撮影を受けた。高橋氏は「この台本には、加害者(旧日本軍兵士)の証言、法廷の判決も盛り込まれていたので、一応は納得できる内容だった」と語る。「しかし、電話を受け、NHK内で何か異常なことが起きているのではないかと思った。番組を見て、あまりの変わりように驚いた」……

 

 このような事実からも、安倍氏のNHKへの「公正中立の立場」発言(たとえ圧力と認めなくても)がNHKの番組内容を変更させたことは明らかです。

 

安倍氏は「公正中立の立場」とはどういう立場と解釈しているのでしょうか!?

安倍氏ご自身が「公正中立の立場」の判定者なのでしょうか?

朝日新聞らしい、偏向した記事である」と記述される安倍氏ですから、「公正中立の立場」の新聞と言うと、読売新聞や産経新聞ですか?

 私にとっての「公正中立の立場」は?

安倍氏とは逆に、読売新聞や産経新聞は論外で、朝日新聞でも、自社存続のための商業主義が付き纏っている為物足りなく思っています。

そして、私にとっては『週刊金曜日』が「公正中立の立場」と常々感じているのです。

 

 それに、政党人たる安倍氏は、「公正中立の立場」の政党はどこの政党ですか?

自民党だけですか?

民主党、(公明党)、共産党、社民党などは、「公正中立の立場」から逸脱した「偏向した」政党ですか?!

これら自民党以外の党が「公正中立の立場」から逸脱した「偏向した」政党となりますと、それらの正統の見解に対して聞く耳持たずとなり、自民党だけが正当なる政党ということで、一党独裁となります。

そして、又、NHKは自民党以外の党(「偏向した」政党)の方々の見解を放送出来ない事になります。

 

 となりますと、

 日本は金正日体制と同じとなり、
NHKは自民党の見解に沿った放送だけするで、
北朝鮮の平壌放送と同じとなってしまうではありませんか!!!?

 

 日本は民主主義の国ではなかったのですか?

 

 そして、未だおかしいのは、「この模擬裁判は、……主催者側の意図通りの報道をしようとしているとの心ある関係者からの情報が寄せられたため、事実関係を聴いた」と記述しているのですから、当然、NHKの松尾氏らが偶々安倍氏を訪問したので、「事実関係を聴いた」というより、安倍氏がNHKの松尾氏らを呼びつけたのでしょう?

だってそうしなかったら、せっかく情報を提供してくださった方を、安倍氏は無視したことになってしまうだけでなく、放送されようとしているNHK番組が大いに偏向していると認識して憤懣やるかたない安倍氏がそのまま手を拱いていたら、安倍氏の存在意義がなくなります。

 

 若し、安倍氏の現在の発言通りに、放送前にNHKが偶々安倍氏(中川氏、他の議員たち)を訪問していなければ、そのまま(NHK内部での自発的な?修正がなく)、放映されていたかもしれません。

そのような場合は、安倍氏はどう発言し、どのような行動をとるのですか?

 

 更におかしいのは、次の朝日新聞の記事(1月18日)を掲げるまでもないでしょう。

 

 

中川昭一・現経産相中川氏は記事掲載後、NHK幹部と会ったのは放映後であると主張を変えたが、当初の取材に対する応答は、事前としか思えないやりとりを生々しく伝えており、不可解といわざるをえない。

 

 何故こう簡単に、中川氏の“NHK幹部と会ったのは放映後”との前言を翻した言い分が罷り通れるのでしょうか?!

 

 何故、他のマスコミは、この安倍氏、そして、中川氏のNHKへの介入をもっと糾弾しないのでしょうか?

冒頭に掲げた『週刊金曜日』の記事にも“これほどNHKへの疑問が多いにもかかわらず、NHKの肩を持つ大メディアもある。官邸詰めの経験をもつ新聞記者が、NHKの歪んだ政治力についてこのように述懐する。

「民放や全国紙の政治部記者も、NHKの記者にはっきりものを言えない面がある。原因は、NHKの政治部記者が、有力政治家に密着していて、その裏懇談会や裏々懇談会の出席メンバー決定に大きな影響力をもっているからだ」……”と書かれていますが、原因はこの点だけではないのでは?

 

 安倍氏は「拉致問題」について触れていますが、この件に関して、『週刊文春(2005.2.10)』の「めぐみさん遺骨捏造「金正日正式回答文」の噴飯内容」との記事の中に次のような記述がありました。

 

……日本側にも計算があった。政府関係者がこう打ち明ける。

「実務者協議で北朝鮮側の歩み寄りがあれば、日本政府は北朝鮮の姿勢を評価して、ある程度の世論誘導をはかる準備があった。それは官邸からいくつかのルートを通じて北朝鮮側に伝わっていたことです」

 鑑定不能という結果が出ていれば、いまごろ国交正常化交渉に入っている算段だったのだろう。

 

 どうも、今の日本は、政府自民党による「世論誘導」酷過ぎるのではないでしょうか!?

 

 更に、北朝鮮の拉致問題に関しては、同じ号の『週刊文春』のコラム「新聞不信」に次のような記述がありました。

 

 感情的になってはいけないと自戒しつつ、こと北朝鮮の態度には怒りが押さえきれない。正直なところ、日本国民の大多数はそう思っているのではないだろうか。

……

 この二、三年の日本社会は、北朝鮮にふり回されすぎだ。何を言っても通じないだけではなく、脅し、言い逃れ、詭弁の類ばかりが返ってくる。少なくとも一国の政府がこれほど反道徳的なことをくり返しているというのに、日本政府は経済制裁をにおわすだけで実際に発動するゼスチュアさえ示さない。

 はっきり言っておくが、北朝鮮問題に明確な態度を示さないことによって、日本社会のモラルや倫理は急速に退廃化している。個人の人生観にまで影響を与えている。このいいかげんな言い分のみを吐きつづける国家との外交交渉は経済制裁を行ったうえでしばらく停止状態にしたらどうか。冷却期間をおいて事態を静観するのだ。

 いつも北朝鮮へ強硬論を吐く産経は、今回も「北との対話は困難」「圧力に重点を移せ(28日付)と説く。その明確な主張に傾く国民がふえているように思う。  (翼)

 

 しかし、このように記述する週刊文春の翼氏をはじめとするマスコミの方々に疑問を投げかけたいのです。

何故、25年も前、横田さん御夫妻が、救援の手を求めておられる時に、マスコミの方々のどなたが手を差し伸べたのですか?

そして、私達、国民の誰が、横田さんご夫妻の嘆きに耳を傾けたのですか?!

更に、国会議員の方々も!

朝日放送の石高健次氏の尽力がなかったら今でも、誰も拉致問題に無関心だったかもしれないのです。

 

 この件に関して、次のホームページから引用させて頂きます。

http://trycomp.oc.to/jokyo/02.html)

 

昭和52(1977)1115日夕刻、新潟市の中学校から帰宅する途中で拉致された。この事件は平成810月号『現代コリア』に朝日放送の石高健次氏が寄稿した論文で言及されていた「中学校一年生の少女拉致」が端緒となり、同年末その少女が横田めぐみさんであることが判明、翌平成9(1997)123日西村真悟衆議院議員(現自由)が政府に質問書を提出、さらに23日には予算委員会で質問し、橋本総理も調査中であると答弁した。

 

 そして、拉致議連の発足も、この石高健次氏の尽力の後(20023)なのです。

http://www.asyura.com/2002/bd20/msg/307.html)より抜粋させて頂きますと、サンデー毎日(2002年10月6日)に次の記事が載っているそうです。

 

 そもそも拉致議連とは正式名称を「北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟」(会長・石破茂衆院議員)といい、今年4月に発足した。社民、共産を除く与野党の有志議員で構成され、メンバーはlOO人を超える。1997年に設立された「北朝鮮拉致疑惑救援議員連盟」を源流とするが、同議連は今年3月、会長だった中山正暉元建設相が「北朝鮮寄り」との批判を浴びて辞任し、組織も解散。「行動重視の運動体」として再出発した。

 

 ここで、『週刊文春』の記述に戻りますが、翼氏は「はっきり言っておくが、北朝鮮問題に明確な態度を示さないことによって、日本社会のモラルや倫理は急速に退廃化している」と記述していますが、翼氏自らも拉致問題の総括をしておくべきと存じます。

そして、又問題なのは、翼氏が北朝鮮を非難されるのは尤もとしましても、何故、翼氏は詭弁を振るい放題の日本の政治家を黙認しているのですか!?

そして、そして、何故米国に非難の声を上げないのですか?

 

 強引にイラクに攻め入ったりと国連を無視し、
戦争犯罪や人道に対する罪で個人の責任を追及することの可能となる
国際刑事裁判所設立条約(日本も米国のご機嫌を伺っている?)を批准せず
地球温暖化防止の為の京都議定書も批准せず
他国の核保持を拒絶しながら自国は膨大な核兵器を保持し、
更なる殺人兵器の開発に邁進する

 この横暴な大国の米国に何故非難の声を上げないのですか?

 国際刑事裁判所に関しては、次のホームページから引用させて頂きます。

http://www.yorozubp.com/0303/030325.htm)

 

数年前、ロンドン警察がスペインの予審判事から身柄引渡しの要請を受けて入院中のピノチェト元チリ大統領を逮捕した。……

このようなことが繰り返されると、気安く戦争を決断する政治家も、自分の老後を考えて少しは慎重になるのではないのだろうか。今後国際刑事裁判所を舞台に類似した事件が何度か発生すると、逮捕して監獄に入れて裁判ということにならなくても、戦争抑止効果が少しは生まれるかもしれない

……

 戦争犯罪や人道に対する罪で個人の責任を追及する傾向は、今回の国際刑事裁判所の設置で更に強まるといわれる。シラク仏大統領が、旧フランス殖民地・アフリカ諸国の首脳会議の席上で「国家犯罪が処罰されない時代は終わった」と発言したが、この警告も時代の変化を物語る。

 

 戦争などは、一般国民が戦争を始めることはなく、他人の命を尊重しない(そして、己の命が戦場で奪われる心配のない)指導者たちが、国民を扇動されたり、情報操作して始めるのですから、「国際刑事裁判所」が設立されれば、戦争はこの世から消え去る運命となるのです。

(そして、世界中から“武器よさらば”の声が巻き起こる筈です。)

 

 ところがです、次のように記述されているのです。

 

 米国はクリントン時代ローマ条約に署名したが、ブッシュ大統領に代替わりしてから身の危険を察して脱退しただけでなく、国際刑事裁判所を眼の仇にするようになった。

 

 こんな大国の横暴が許されて良いのでしょうか!?

 

 そして、毎日新聞(1月22日)の記事は次のようになっています。

 

 ブッシュ米大統領が20日の就任演説で「最終目標は世界の専制体制終結だ」などと述べ、1期目と変わらぬ外交方針を強調したことで、国連は懸念を強めている。

 ブッシュ就任演説は「米国は圧政を無視せず、圧政者を許さない」と強調し、米外交政策はあらゆる国に民主的な動きや制度を促進することだと述べた。ライス次期国務長官は米上院外交委での公聴会で、世界に残る「圧政の前線基地」としてキューバ、ミャンマー、北朝鮮、イラン、ベラルーシ、ジンバブエの6カ国を名指しした。

 これは、米国が国連安保理の承認を得ないまま開戦に踏み切ったイラク戦争と同様、これら「無法国家」にも強硬措置を拡大する可能性を示唆したものともいえるが、国連内では、イラクの治安悪化を誘発した張本人は米国だとの見方が大勢だ。

 

 何故、米国が国連を無視して世界の警察官面し、勝手に武力行使することが許されるのでしょうか!?

米国との同盟国と、はしゃぎまわっている日本こそが先ず米国に苦言を呈すべきではありませんか!?

 

残念なことに、苦言を呈すどころか、週刊文春(2004.11.18)のコラム“新聞不信「米大統領選に、大きなお世話」”には、次のように記述されています。

 

 大接戦といわれた選挙が、終わってみるとブッシュは五十州のうち三十一を取り、票数でも三百五十万票の大差、共和党は上下両院を制する「完勝」だった。向こうのリベラル派にさんざん肩入れした日本のリベラル実は親中・反米新聞のみなさん、お気の毒さま。「イラク」での米国の一国主義にさかんに悪態ついてきた左寄り新聞は、負けたとき恒例の負け惜しみに訴えた。

……

日本の新聞はフランスを平和勢力のように言うが、シラクは「自国の考え」を押し通して南太平洋で核実験をしたのだ。あらゆる国家は、自国の考えを通そうとする意志を持つものなのだよ

……

 リベラルでないアメリカが選挙の勝利を過信するのはよくない、自国の考えを押しっけてはならない、と書くのは勝手だ。だが諸君がそう書く間も、日本海に配備された米海軍のイージス艦は、いまにも北朝鮮がノドン・ミサイルを発射しないかと見張っているのだ。日本全土がすっぽり射程内に入るミサイルだよ。

それでも日米同盟の強化に、左寄り新聞は反対するのか?

「ニューヨーク・タイムズ」はケリーを支持した。選挙結果はタイムズだけが米国の意見でないことを示した。

 戦後やがて六十年、ずっと安全を米国に頼ってきた国が、うるさく批判する。彼らは背に負うた日本に言うだろう、大きなお世話だと。 (滝)

 

 滝氏に先ず苦情を言いたいのは、「シラクは「自国の考え」を押し通して南太平洋で核実験をしたのだ。あらゆる国家は、自国の考えを通そうとする意志を持つものなのだ」的な見解です。

これからの世界で、「あらゆる国家は、自国の考えを通そうとする意志を持つ」で済むのですか!?

このような滝氏的な発想では、「あらゆる国家は、自国の軍隊を持つ」となってしまいます。

これでは、この地球上から戦争が絶えることはありません。

更に付け加えるのなら、シラク氏はブッシュ氏とは異なり、「国際刑事裁判所」の未来(戦争の絶える日)に期待を抱いています。)

 

 こんな滝氏的な発想では、新しい世界未来は開けません!!!

 

今の時代、電気のお陰で私達は快適な生活を過ごせます。

そして、その電気を、色々な理論法則を駆使して私達の電気的生活に活用しているのです。

そして、その電気に関する理論法則を疑う人はいません。

(疑わずにも、今の理論法則で、現在の快適な電気的生活は維持できるのです。)

でも、私は疑っています。

そして、電気の本質から、今のIC社会を支えている「半導体に関する理論」も疑い、私独自の新しい理論を構築して、それらを纏めて『コロンブスの電磁気学』(仮題)を執筆しています。

 

現状を、疑うことから進歩が始まります。

 

 氏よ「日本海に配備された米海軍のイージス艦は、いまにも北朝鮮がノドン・ミサイルを発射しないかと見張っている」と記述されますが、「米海軍のイージス艦」は日本を防衛する為に配備されていると思われているのですか?

疑ったことは無いのですか!?

 

氏は《北朝鮮の「ノドン」迎撃可能?》とのホームページを御覧になりましたか?

そこで、そのページの一部を以下に抜粋させて頂きます。

http://www.gensuikin.org/nw/ntw1.htm)

 

 時事通信によると、北朝鮮が保有している弾道ミサイルのノドン(射程約1300キロ)について、米政府が「(開発中の)海上配備型のミサイルと地対空誘導弾で迎撃が可能になる」と日本政府に伝えていたことが12月25日、明らかになったとのことです。
 この件について、米国の「憂慮する科学者同盟(UCS)」のミサイル問題専門家デイビッド・ライトにコメントを求めたところ、これまでの実験の方式からいって、ノドンの「脅威に海上配備のシステムで対処できると米国が日本に請け合うことは全くできない」との返事が来ました。

 

 だとしたら、「米海軍のイージス艦」は、米国本土防衛の為に配置されているのではありませんか!?

(対北朝鮮というより、むしろ対中国)

 

 そして、氏の記述で恐ろしいのは、“北朝鮮へ強硬論を吐く産経は、今回も「北との対話は困難」「圧力に重点を移せ(28日付)と説く。その明確な主張に傾く国民がふえているように思う”と平気で書いている異常さです。

 

 「その明確な主張に傾く国民がふえている」との風潮は“ごたごた言うのは五月蝿いんだよ!てめ〜!”そして、“問答無用”挙句の果ては“行け行けどんどん”となってしまう危険性を翼氏は感じないのでしょうか?!

そして、更には、小泉首相の“自衛隊はわかり難いから、軍隊とすべき”発言がのうのうと罷り通ってしまう危険性を感じないのでしょうか!?

 

そして、疑問に思うのは、北朝鮮に経済制裁をして問題が解決するのですか?!

かえって解決の日が遠のくのではありませんか?!

私は、

第一回の日朝会談にも参加した安倍氏が自ら(小泉氏とご一緒でも結構ですが)、
金正日氏と膝詰め談判をすべきだと常々思っているのです。

そして、横田さんご夫妻の“北朝鮮へ経済制裁を!”との訴えには、小泉氏や安倍氏が重い腰をあげて、何度でも解決するまで北朝鮮へ赴いて欲しいとの願いが込められているのではないでしょうか?

 

 更に、毎日新聞(余禄)(2月1日)には次のように書かれています。

 

……「賢人」と民主主義はどうも相性が悪い。たとえば古今の賢者たちの名言格言録で民主主義への悪口を探せば、それこそきりがない

「民主主義は腐敗した少数者の取り決めに取って代わった無能な多数者の取り決めである」(バーナード・ショウ)。

「民主主義の宗教は凡人崇拝である」(A・ハクスリー)。

……
だからこそナチスと戦った英国首相チャーチルの「民主政は最悪だ。今までに行われた他の統治を除けば」という名言が光るのだ。そもそも民主主義が誰も文句のいえない政治制度の主流となったのは世界史全体から見ればほんの最近にすぎない▲だからイラク国民のなかにも自分の命を懸けてまで投票すべきかどうか疑う人が少なくなかったろう。

……「賢人」らの民主主義嫌いの理由のひとつには多数派の横暴により少数派の自由が脅かされることがあった

……ただどんな「賢人」よりもイラクの有権者の方が勝っていることがある。それは自分が何を望んでいるかは自分が一番よく知っていることだ。むろんイラクの民主化を唱える米国に対してもそう言っていい。そこが民主主義の原点である。

 

 どうも、この記事の筆者も、週刊文春の翼氏も、「自分自身も一般大衆の一人だ」と言うことを忘れているのではありませんか?

そして、「自分自身も大した人物では無いのだ」と言うことを忘れているのではないでしょうか?

私なんぞは、以前の拙文《私が60年安保闘争で学んだ事》にも書きましたが、安保の「あ」の字も知らずに安保反対デモに飛び込んで行きました。

青島都知事にも一票投じてしまいました。

そして、なんと小泉首相登場には、諸手を挙げて賛同したのです。

 

 「自分が何を望んでいるかは自分が一番よく知っていることだ」との記述の欺瞞は、ビートたけし(北野武)氏の名言「赤信号みんなで渡れば怖くない」に集約されるのではありませんか!?

そして、若者達が何を望んでいるかに関しては、作家(であった?)石原都知事の『太陽の季節』などの諸作品を読めばわかります。

石原氏の作品の登場人物たちは、彼等の野獣的欲望(性欲等)を満たす為に女性の気持ちを推し量ることなく妊娠させたり殺したりとやりたい放題です。

そして、そのことを彼らは勇気(若者の特権)と勘違いしているのです。

例えば、彼の学生時代同人雑誌「一橋文芸」に発表された作品『灰色の教室』のは次のような一節があります。

 

 こうした行為を通じ彼等は奇態な結ばれ方をして行った。それを悪徳と呼ぶ者が有ればけだし悪徳こそ互いの心に通じ合う最短の道と言えるのかも知れぬ

 だがそこまで彼等を自身に対し、平常の生活の内で掻き消し見失わさしてしまったものは一体何であるのか。

 彼等には言葉では表わし得ぬものにせよ、共通して彼等の生活を支えているモラルがあるのかも知れぬ。それは一人前と言われる大人達の持つものとは異なり、もっと目まぐるしく人間にとって本来の生のままのものではなかろうか彼等は大人が作って与えるよりはもっと広くて生々しい社会を要求するのだ。

 

 でも、このような奔放に振舞う若者を書いていた石原氏は、今や若者たちに苦言を呈しています。

自分が何を望んでいるかは自分が一番よく知っていることだ」のその「望み」が「人間にとって本来の生のままのもの」であるのなら、誰でもわかりましょう。

(米国民の多くは「本来の生のままのもの」の思いで、ブッシュを大統領に再選したのではありませんか?)

しかし、その「望み」が「人間として、自分の人生をかける望み」となると、容易に判る代物ではありません。

 

 だからこそ、他人の異なる意見にも耳を傾け、議論をしてより納得できる道をお互いに探ってゆくことが必要なのです。

政治家が「自分こそは公平中立だ」と思ってしまうのでは、
議会民主主義などは廃止すべきです。

 

 戦後から今日まで、一貫して自民党支配が続き多くの不備失態(国債、年金……)を重ねてきました。

その失態の責任問題を、国会等で厳しく議論しましたか!?

(徹底的な議論も責任追及もなく、全ての失政の原因を「少子化」に押し付けてもいるようです。)

 

毎日新聞(1月28日)の記事を次に掲げます。

 

 小泉純一郎首相が出席した27日の衆院予算委員会質疑で民主党は菅直人前代表が首相の過去の発言をあげ挑発したが不発気味に終わるなど、一連の質問は今国会で対決の的をしぼりきれない戦略不足を印象づけた。一方で小泉首相も靖国神社参拝について7回も同じ答弁を繰り返すなど積極的に説明に応じようとする意欲はみえない。……

 「お遍路回りでもうちょっと(性格が)円くなったかなと思ったんですけど。同じ質問だから同じ答弁をします」

……

首相は、菅氏の代表辞任後のお遍路回りにふれた以外はほぼ、同じ答えを繰り返した

 また、菅氏は首相の「(国債発行が30兆円を超えないとの公約について)この程度の約束を守れなかったことはたいしたことはない」(03年1月)、「会社もいろいろ、人生いろいろ」(04年6月)、「(イラクで)自衛隊が活動している地域は非戦闘地域」(04年11月)など過去の発言をパネルで示し「こういう議論をやめてもらいたい」と迫った

 首相は「人生いろいろ、これ当たり前じゃないですか。おかしいと思う方がおかしい」「『自衛隊を派遣している地域が非戦闘地域』というのは一番わかりやすい答弁。非戦闘地域でなければ自衛隊を派遣しないと言っている」と失言と認めずじまい。菅氏は「小泉語録ではなく、妄言録だ」といらだちをあらわにした。……

 

「お遍路回りでもうちょっと(性格が)円くなったかなと思ったんですけど。同じ質問だから同じ答弁をします」と、質問者の菅氏をおちょくる一方、ブッシュ大統領には無条件で尻尾を振り続ける小泉首相からは、国会で議論する意思、意欲、熱意は感じられません。

十分な議論説明も行わず、最後は、自民公明党議員の多数をもってして、国会を運営する多数派の横暴が罷り通る国が民主的国家ですか!?

 

そして、昨年12月9日に、番組のデスクだった長井暁氏(当時)がNHKのコンプライアンス推進室に「放送前に中川昭一氏と安倍晋三氏による政治圧力で番組改変があった」と内部告発したのに、適切な調査も実施しなかったNHKが「公正中立な放送局」なのでしょうか?!!!!

 

毎日新聞(1月25日)から次の記事を抜粋します。

 

 ◇関根昭義放送総局長の会見(19日)から

 NHK幹部は安倍晋三氏とは放送前日ごろに面会した。安倍氏は「公平・公正な報道を」といった趣旨の発言をしたが、面会によって番組内容が改変された事実はない。中川昭一氏には放送の3日後に面会した。

……

 NHKは予算など国会の承認を受ける。与野党の国会議員にどういう事業を進めていくか、きちんと説明する。国会議員に会うことを圧力と短絡的に結びつけられるのは残念だ。

こんなようにして、政治家にお伺いを立てているNHKでは、平壌放送と大差ありません。

 こんな放送局に「視聴料」を納めるのは御免こうむりたいとの思いで一杯です。

こんな平壌放送まがいのNHKは、郵便局以前に、解体すべきです。

そして、教育テレビと衛星第一だけが、WOWWOWや、スカイパーフェクトテレビのように、見たい方々から料金の徴収する有料放送として存続すべきではありませんか!?

 

 そして、このような基本的な問題を等閑にして、朝日新聞の取材方法の問題(?)ばかりを論っている同業他社は「公正中立なマスコミ」なのでしょうか?!!!

 

 そして、おかしな(朝日新聞も含めて)マスコミと、更には、多数の意見のみを鵜呑みにしているとトンデモナイ事態に陥りかねない例を「吉野家の牛丼」(朝日新聞:2月12日)記事に見ることが出来ます。

 

 牛丼チェーン大手の吉野家ディー・アンド・シーは11日、1年ぶりに牛丼を販売した。米国産牛肉の禁輸措置を受けて販売を停止してからこの日で丸1年になる。再開を待ちわびるファンに感謝しようと企画した1日限りの「復活」。全国各地の店で牛丼ファンが列を作った。

 03年末の禁輸前から国内に残る米国産の流通在庫をかき集め全国約1千店で約150万食を用意したが、早い店では午後2時前に売り切れ、12日午前0時過ぎに全店で売り切れた。

 輸入再開を強く求めている米国のべーカー駐日大使は「日本の消費者が米国産牛肉を好み、今も食べたいと思っていることを確認した」とのコメントを出した。 ……

 

 そして、各テレビも、この「吉野家の牛丼」に喜び溢れる人々だけを映し出していました。

まるで、吉野家の宣伝か、更には、“こんなに多くの日本人が米国牛肉の牛丼を待ち望んでいるのだから、早く米国牛肉の輸入再開しろ!”とのキャンペーンのように。

 

 何故、何の警告もなくこんな風景を垂れ流すのでしょうか!?

以前の拙文《吉野家の牛丼とマスコミの怪》にも記述しましたが、

吉野家が03年末の禁輸前から国内に残る米国産の流通在庫をかき集めた牛肉は、
輸入禁止後の米国の牛肉と、同じ危険度をはらんでいるのです。

 

 その上、次の記事(朝日新聞:2月5日)です。

 

 牛海綿状脳症(BSE)が原因とされる「変異型クロイツフェルト・ヤコブ病」(vCJD)の疑いが持たれた男性患者について、厚生労働省は4日、国内初の症例であることを確認した。89年に1カ月間ほど英国に滞在していたことなどから、「英国で感染した可能性が高い」とみている。この病気は血液を介して感染する恐れもあるため、厚労省は英国滞在経験者からの献血条件を厳しくするなど安全対策の見直しに着手した。今回の事態が、国内の牛肉消費や米国産牛肉の輸入再開問題に影響を及ぼす可能性も出ている。

 

 お気の毒な男性の感染地が、英国か日本かは別として、厚生省の見解通りなら1ヶ月の滞在で感染したのですから、一食の牛丼にも同様な危険性が考慮されてしかるべきです。

 

 この「吉野家の牛丼」の例を見るように、世論を絶対視する事は間違いです。

そして、この世論の間違いを忠告したのは、事もあろうに小泉首相です。

 

毎日新聞(2003年3月5日)の記事は、次のようです。

 

参院予算委員会で5日午前、03年度予算案の審議が始まった。小泉純一郎首相は、国内世論の圧倒的多数がイラク攻撃に反対していることについて戦争か平和かと問われれば、だれだって平和を望む。世論に従って政治をすると間違う場合もある。それは歴史の事実が証明している」と述べ、世論の動向に左右されずに対応を判断する考えを示した。直嶋正行氏(民主)の質問に答えた。

 首相は、国連安保理の新決議採択なしに米英両国が攻撃に踏み切った場合の対応について「北朝鮮問題を考えても、日米安保条約が大きな抑止力になっている。今後も日米同盟と国際協調態勢の重要性をよく考えながら、対応していきたい」と述べた。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核兵器開発問題に対する日米協力も考慮して、米国支持を打ち出す姿勢をにじませたものだ。

……

 

 小泉首相が、「世論に従って政治をすると間違う場合もある」とはっきり認識されているのなら、尚のこと、理路整然たる国会討論をして貰いたいものです。

討論無視しての世論無視では、独裁者です。

 戦争か平和かと問われれば、だれだって平和を望む”と言いつつ、私達を戦争への道へと引き擦り込む独裁者を排除すべきです。

 

そして“戦争か平和かと問われれば、だれだって平和を望む”と言いつつ、私達を、世界を平和へと導く代表を打ち立てなくてはなりません。

 

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